週イチ日記
2009.02.18
無題
韓国では4月14日に、バレンタインデーとホワイトデーに贈り物を受け取れず相手がいないまま過ごした人たちが、黒い服を着て外に出て、チャジャン麺(黒いソースがかかった麺)を食べ、お互いの寂しさを癒すブラックデーと呼ばれる記念日があるようです。今でこそ妻から贈り物をもらえますが、これまでのバレンタインデーを振り返ると、毎年4月14日には黒い服を着てチャジャン麺を食べねばならぬ惨敗続きの青春時代でした。
2月14日の朝、別に男前なわけではないのに、別に運動神経が抜群なわけではないのに、別に勉強ができるわけではないのに、別にトークが面白いわけではないのにもかかわらず、全く根拠のない「今年はチョコレートもらえるかも?」的な、かすかな期待というか妄想を抱いて学校に行っていたものでした。
まずは下駄箱。必要以上に下駄箱内を確認しながら通学靴から上履きに履き替えます。もう一度下駄箱内を確認しますが残念ながら何ひとつありません。「靴を入れる所に食べ物を入れる非常識な女の子なんているはずない!」と納得し教室に向かいます。教室の自分の席につき、「教科書でチョコレートを押しつぶしてはいけない」と通学カバンから教科書を取り出し、かなり慎重に机の中に入れていきます。これが悲しいことに、何の障害物にもぶつかることなく教科書たちは机の奥まで吸い込まれていきます。
前半は無得点に終わりましたが、2月14日はまだ続きます。こんなことでは「全く根拠のない期待」は終わりません。一日の授業が終わり放課後。「この放課後というタイミングを狙っている女の子がきっといるに違いない」と、そんな健気な女の子の手助けをするが如く、いつもより余計に時間を掛けて帰り支度をします。が、いつまで経ってもそんな女の子は現れません。ゆっくりゆっくり通学カバンに詰めていた教科書も残り1冊。その1冊もカバンにしまい終え、もう一度、未練たらしく机の中の奥まで覗き込み、残念ながら何も入っていないことを確認し教室を後にします。それから下駄箱に向かいます。つい8時間ほど前に「靴を入れる所に食べ物を入れる非常識な女の子なんているはずない!」と決別した下駄箱内を確認しますが、やはり何もなく後半戦も無得点です。
いや待てよ。学校など、人目のつく場所を嫌う健気な女の子がいるに違いない。「全く根拠のない期待」は私を自宅の郵便受けへと急かします。チョコレートが入っているのでは?と郵便受けの中を恐る恐る確認します。これでロスタイムも終わり試合終了です。結果はもちろん無得点です。こうしてバレンタインの連敗は1つ、また1つ増えていきました。こんなことを毎年繰り返していたような・・・・・・。