週イチ日記
2010.01.11
無題
年末のことですが、当事務所のN村氏が「宝塚でな…UFO見てん!」と騒ぐ一幕がありました。「疲れてるんですね…」とか「レーシック失敗ですか…」とか周りに言われ、気の毒にも誰にも信用されていませんでした。僕はその話を聞きながら、そういえば自分にも奇妙で不可解な体験があったことを思い出しました。今回は冬だけど、世にも奇妙な物語を紹介いたします。
3年前の忘年会帰りのことでした。猛烈に寒い夜で、僕は確かにだいぶ酔っ払っていました。終電を逃し仕方なく千鳥足で家路に向かったのですが、途中の公園で力尽きベンチで寝込んでしまいました。どのくらい寝入っていたのかは分かりません。一瞬のような気もするし、小一時間くらい経っていた気もします。とにかくこのままでは凍死すると思い、はっと目を覚ますと、そこは独り暮らしの自宅のベッドの上でした。霞がかかったようにぼんやりした頭を振りながらゆっくりと身体を起こすと、僕は既に寝巻きに着替えていて、髪の毛が少し濡れていました。信じられないことにシャワーを浴びたようです。部屋を見渡すと、着ていた服もきちんとハンガーに掛けられていました。ひょっとして忘年会は夢だったのかと思いましたが、飲みすぎ特有の頭痛と胸のむかつき具合からすれば、忘年会は現実のようです。訳が分からず、しばらく呆然としていたら携帯が鳴りだしました。着信音はハンガーに掛けられていた上着の中から聞こえてきました。のろのろと電話に出てみると、幹事をしていた友人からでした。どうやら僕はカバンを店に忘れていたらしく、お店の人が保管してくれているので明日にでも取りに行くようにとのことでした。僕は礼を言って電話を切りました。(そういえばカバンが見当たらないな。確か財布と文庫本と鍵が入っていたっけ…あれ?鍵?)一瞬で意識が鮮明になりました。あわてて家中探し回ったけど、鍵がどこにもない。ポケットにも玄関にも扉のシリンダーにも。では、僕はどうやって家の中に入ったのでしょうか?鍵を掛け忘れるなんて、ここ数年一度もないことです。100%の確信はないですが、この日も鍵は掛けて外出したはずです。だとしたら僕は眠りながら、鍵の掛かった玄関をすり抜け、服を脱いで、シャワーを浴びて布団に入ろうとしたのでしょうか?
翌日お店にカバンを取りにいきました。鍵はきちんとカバンの中にありました。真相は今でも分かりません。時々知り合いにこの話をするのですが、「ふうん。不思議やね。あんま飲みすぎたらあかんよ。」くらいの感想しかなく、とても心外です。もっと驚いてほしかったのですが。
みなさんはいかがでしたか?