週イチ日記

2010.06.28

無題

 年齢とともに人の趣味嗜好は変わるもので、以前は良くないと思っていたものが、今はとても良く思えたりして、これは歳をとることの数少ないメリットの一つではないかと思います。一方で三つ子の魂百まで的に、いくつになっても好きになれないこともあると思います。僕の場合、それは入浴です。誤解のないように申し上げますと、お風呂には毎日はいっています。事情が許せば、日に二度はいることもあります。僕が苦手なのは湯船につかることです。幼少期から一貫して、どういうわけか5分以上つかることができません。当然、温泉に行きたいと言う人の気持ちを理解できないし、外湯巡りなど正気の沙汰とは思えません。そんなわけで、極力湯船につからない生活を送ってきました。
 ところが先日「野獣風呂」なる入浴剤を押し入れの奥から見つけました。数年前に冗談で買ったまま忘れてしまっていたようです。これはあの杉本彩氏監修の入浴剤で、最大の特徴は湯の色がドス黒くなるところです。野獣=黒みたいなイメージでしょうか?せっかくなので久しぶりに湯をはって、それを使ってみました。
 黒い湯は見た目に反して甘い香りがしました。幾分胸の高鳴りを感じながら、湯船に身体をそっと沈めました。すると、まるで自分が漆黒の闇に潜む野獣になったような気がするわけもなく、やはり5分程度で湯船から出てしまいました。黒い湯では身体を流す気にもなれません。仕方なく湯船の栓を抜き、「」というアンニュイな気持ちで湯が減っていくのを眺めていました。そして、オフホワイトの浴槽に淡く残った野獣の黒いシミをバスクリンで擦りながら、もう二度と湯船になんかつかるまいと決意を新たにしました。

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