週イチ日記

2014.07.28

本の選び方について

たとえば、仕事や税金、あるいはパソコンのことでとても困った状況に陥ったとする。何とか解決したくて、書店に足を運んでみる。もしそこで『⚪︎⚪︎のすべて』とか『⚪︎⚪︎がよく分かる本』とか『⚪︎⚪︎Perfect Guide』とかいうお困りのジャンルにぴったりのシンプルなタイトルの実用書を見つけたら、まさに福音だと思いませんか?少なくとも僕はそう思う。問題の半分くらいは既に解決したような気分になる。ところが、家に帰ってじっくり読んでみたら(全然役に立たんな…)ということが多々あった。それらの書籍は、大抵は網羅的ではなかったし、難解だし、全くパーフェクトではなかったからだ。そもそも、軽々しく「すべて」とか「Perfect」とかを使うべきではない。そんなものは、ごく稀にしか存在しないからだ。ではなぜ、著者は「俺に任せておけば大丈夫」的な大上段に構えたタイトルをつけたのだろうか?そこには編集者の商業的な意向が反映されているのではないかと推察する。
「先生。タイトルなんかね、わかりやすくてね、少々大袈裟のほうがね、売れるんですよ。へへへ。」「そんなもんかね。じゃあ今回は、思い切って『100%失敗しない投資術』にしようか。本当にそんな方法があったら誰にも言わないけどね、ははは。」みたいなやり取りがあったのではないか。確かに思わず買ってしまいそうになる。しかし、出版業界が不調である今だからこそ、大盛り弁当と表示して底上げの容器に入れるようなやり方は厳に慎んでいただきたいと思う。出版関係者の方々に猛省を促したいところだが、きちんと中身をみて買えよと言われたら、まあそれもそうだなと思う。中身をみて選ぶのが面倒臭いからといって、タイトルだけで選んではいけない。とは言っても『絶対後悔しない本の選び方』という本があったら結局買っちゃうんだろうな、とも思う。

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